2013年10月08日

78分の48

タロットカード制作の48枚目は、カップのエース。

意図したわけではないけど、今回ちょっとユニバーサルなイメージを描いてあります。
エースは始まりのカードなので、その元素が持つもっとも原始的で創始的なエネルギーからエッセンスを汲んでくる大切なカード。
愛の泉は杯に収まりきることのない不滅の源泉をもつ。ここから少しづつ汲み取られた情愛が交換されたり、倒されたり、注がれたりするのがカップのスートの旅ですね。

cup1.jpg

少し前に、私はもう「かわいい」「好き」を動機としたものしかしばらく描かないって決めたときがあって、それはなぜかというと、8ハウス新月生まれの娘を見習ってそうなった。

娘は、とことん好きなものを好きな色で好きな方法でしか描かない人で、しかしこれが先生や企業の人や友人や私に直されることを全然いやがらない。どんなこと言われても平気で直すし、全部やり直しって言われれば黙って一から書き直す。色なおせ、形なおせって言われても、彼女のバリエーションは尽きることもなければ、不思議と妥協することもない。
私は自分が長いあいだそういった娘の態度と真逆だったことに気が付きました。
最初から人目を気にして構図をとって、線のひきかたから色の選択に至るまで相対的な目を失う瞬間がほとんどない。だからめったに楽しい行程などない。そして、直されるのが大嫌いで、うまく直すこともできない。

でもこれは当たり前のことで、絵だけではなく日常的な行動原理にもそのまま適応できる。
人目を気にしてピリピリしている人に「その態度をなおせ。」って言っても、「私に配慮が足りないとでも!?」って大変なことになるけど、好きなように動いている人に「その態度をなおせ。」って言えば、「あら。ダメだった?」というシンプルな話しですね。

人目を気にして描く癖や生きる癖はそう簡単に治るものではないと思うけど、「まずは、自分が本当に好きなものだけを好きな色を使って、好きなように描くことから始めよう」って決めたのでした。
正直そう決意したときは、もうタロットカードとか完成できないんじゃないかなって思ったし、大野くんしか描かない人になるのかなーとか空恐ろしい気持ちもありました。とりあえず他に好きなものといえば、動物とか丸いものとか、ランチュウとか緑の水とか、かわいいもの全般。では、アザラシでも・・・と描き始めていたのがこれ。

それがこのあいだ、来日中の占星術師クリストファーワーナック氏と食事したときに自分が制作中のタロットカードをみせたら、えらい褒めてくれてすごく嬉しくて、「でもずっと止まってるし47枚しか描いてないから、あと30枚もあるの。」って言ったら、「30枚かー。それはすっごい大変な作業だし、時間もうんとかかるね。遠いね!」って言われました。

私の中で、どこか「遅いことは悪」「のろまは負け犬」って概念が根強くあって、なんでもさっさとやることこそが善かつ美徳だと考えていたようなところがあったのが、この瞬間溶けた。私が絵を描く技術のほとんどすべてを獲得したアメリカ在住時代には当たり前だったことを思い出した。「良いものには時間とエネルギーがかかる。」
このあたり前が恥ずかしいことのように思えてしまっていたのは、日本文化の個性でもあるんだなと。もちろんそれは、日本文化の美しいところでもあり悪いところでもあるが、いずれにせよ単なるカルチャーギャップ。

とりあえず、ひとまず、心から愛してやまないかわいい動物と水を使ってカードを一枚描けてよかったです。
どうかどうかこれからもお導きがありますように。
posted by emi at 15:59| Comment(0) | タロットカード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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